久米島の未来を担う先端産業~海洋深層水~

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島暮らしのおかもってぃ
地域おこし協力隊。東京生まれ東京育ちのシティボーイ。マニアック過ぎて役に立たない久米島情報を発信中!
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みなさん、こんにちは!

島暮らしのおかもってぃです。

田舎に人を呼ぼう!と地方創生が叫ばれる昨今。

移住のための一番のハードルがやはり仕事があるかないかなんです。

人口減少を止めようといろいろな試みをしている久米島町にとってもこれは致命的な問題です。

そんな中、注目されるのが海洋深層水!

温度差発電、海産物の養殖、化粧品などに応用され、2016年度には年間25億円の経済効果を生み出しています。

今後なんと1000人の雇用を生み出すのではないかと期待されている海洋深層水。

本日は久米島の将来を担う海洋深層水産業についてご紹介します。

そもそも海洋深層水って?深層水の3つの特徴!

海洋深層水は水深200M以下を流れる海水のこと。

みなさんも黒潮とか、親潮とか聞いたことありますよね。

あれらは海洋表面の海流を指しますが、実は深海にも海流が存在してるんです。

海洋深層水はその深海の海流から採集します。

深層の海流は実に数千年間、深海を対流し続けると言われており、以下の3つの特徴があります。

低温性

深海は太陽光が届かないため、海水が温まりません。

久米島では水深612mから約9度の深層水を引き上げ、後述の温度差発電に利用しています。

富栄養性

海水で言う栄養は、海洋プランクトンのご飯となる無機塩類のこと。

一般に無機塩類は河川から海洋に流入します。

小さな島国である沖縄は海にそそぐ河川がほとんどありません。

そのため沖縄の海は、プランクトンのための栄養が少ない海なんです。

実はプランクトンが少ないからこそ、沖縄の海は澄んでいて綺麗なのですがプランクトンを餌とする生物は繁殖しずらいんですね。

しかし、深海を漂ってきた深層水にはこの無機塩類がたくさん含まれているため、従来養殖が難しかった生物を育てることが出来ます。

清浄性

原発事故もあり、安全安心な素材・水への需要は高まるばかりです。

その点、深海を数千年間漂ってきた海洋深層水はとてもきれいな海水なんです。

これら3つの特徴を生かし、様々な産業を発展させていっています。

久米島の未来を担う産業はこれだ!

2000年より県の事業として始まった海洋深層水産業。

現在では1日に1万3千トンをくみ上げています。

この量は国内でも最大規模。

様々な産業に利用されており、海洋深層水関連産業の生産額は年間25億円にものぼります。

そんな深層水を使った注目産業がこちらです。

海洋温度差発電

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通称、OTEC(Ocean Thermal Energy Conversion)

海表面と深層水の温度差を利用して発電する施設です。

火力発電では火力で水を沸かし、水蒸気を発生させタービンを回して発電していますね。

水蒸気は再び冷やされ液体に戻り、また沸騰させて水蒸気へと繰り返しています

火力発電のしくみ
出典:http://mitsumoli.com/energy/knowledge/11/

海洋深層水も基本的な原理は一緒ですが、水のかわりに沸点が低い液体を使っています。

沸点が低い液体は、表面の海水で温めることで沸騰させることができます。

沸騰した液体は蒸気となり、その勢いでタービンを回します。

そして蒸気は深層水によって冷やされ、ふたたび液体に戻るという寸法です。

火力発電と違って化石燃料も消費しないし、二酸化炭素も排出しないクリーンなエネルギーです。

この海洋温度差発電を行うためには、表面と深層の温度差が20度以上なければなりません。

この条件を満たすのは沖縄や小笠原といった低緯度地域だけなんです。

なおかつ久米島は、沖合わずか2.3kmという近さで海洋深層水を取ることの出来る珍しい島です。

現在の実証実験での発電量は50kW/時。

島内で必要な電力を賄うにはまだまだ足りないが、今後規模が大きくなれば石油燃料に頼らない、エネルギーの完全自給が可能になるかもしれません。

世界初の試み!牡蠣の完全陸上養殖

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今久米島で世界初の試みが行われています。

それが「牡蠣の完全陸上養殖」です。

牡蠣は植物性プランクトンを食べ成長します。

しかし、人口の多い土地の海域には雑菌が多く含まれており、ノロウィルス等を取り込んでしまう危険性があるんですね。

一度ノロウイルスを体内に取り込んでしまうと100%除去することは難しいそうです。

その点、”清浄性”を有する海洋深層水を用いた完全陸上養殖であれば、雑菌が入り込む心配もありません。

今、ノロウイルスの危険性がない、ウイルスフリーの牡蠣が出来るのではないかと大注目されています。

また海洋深層水は”富栄養”のため、牡蠣のエサである植物プランクトンの繁殖にも適しているんですね。

さらに、牡蠣は寒い地域でしか育たないため海洋深層水の”低温性”も重要です。

牡蠣養殖と海洋深層水は実によくマッチするんです。

久米島にオイスターバーが出来る日も近いのではないでしょうか。

生産量全国No.1!海ブドウとクルマエビ

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久米島が誇る2大産業、海ブドウとクルマエビ養殖も海洋深層水によって支えられています。

沖縄名産の海ブドウは実はとても養殖が難しい海藻です。

海ブドウの質は、一粒の大きさ、枝分かれの無さ、粒の密度によって決まります。

質を上げるためには様々な育成条件が必要なのですが、中でも重要なのが温度管理。

海ブドウは25度前後で最もよく育ちます。

その温度管理のためにこの海洋深層水が使われています。

また、クルマエビは海水温が高いと稚魚を産みません。

そのため今までは九州地方から稚魚を購入していたのですが、海洋深層水を導入したことで海水温を下げて養殖することが可能になりました。

そのおかげで今は産卵も含めて久米島島内で賄うことが出来ています。

海ブドウもクルマエビも今では日本一の産業に成長。

海洋深層水のすごさがうかがい知れますね。

現状の課題

2000年に実証実験が始まり、様々な経済効果を生み出しているこの海洋深層水産業ですがもちろん課題もたくさん。

一番はコスト、大規模化すれば相当な電力を賄えるこの施設を作るのには莫大な費用がかかります。

ただ作ってさえしまえば、20円/kWh以下で発電が可能とのこと。

プランによって前後はしますが普段僕らが払っている電気料金が30円/kWhくらいなので、実用化も難しくはなさそうですね。

また、まだ研究が進んでいないことの一つは、廃水の問題。

本来であれば、深層水はどこか遠くの海域で海面に浮上していたであろう海水です。

それを久米島近海に流すことで生態系にどのような影響が出るのか、ということはまだあまり研究が進んでしません。

海洋深層水は確かにきれいな海水ですが、きれいだからと言って生態系に影響がないとは言えないんですね。

クリーンなエネルギー源であることは間違いないので、いろいろな条件をクリアしてぜひ実用化に向けて頑張ってほしいですね。

最後に、世界の島嶼国のリーダーを目指して

同じ島嶼国にとってこの海洋深層水は非常に魅力的なもの。

現在も海外からの視察はあとを断ちません。

このプロジェクトに関わる方はみな

「世界一を目指す」

「世界の島嶼国のリーダーになる」

と口をそろえて言います。

それほどのポテンシャルは間違いなく秘めている海洋深層水。

今後の発展も目が離せませんね。

 

 

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