久米島発!世界初!『あたらない牡蠣』を目指して

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島暮らしのおかもってぃ
地域おこし協力隊。東京生まれ東京育ちのシティボーイ。マニアック過ぎて役に立たない久米島情報を発信中!
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こんにちは!

島暮らしのおかもってぃです。

 

みなさんは、ここ久米島で世界初の取り組みが行われていることを知っていますか?

それが、牡蠣の完全陸上養殖です。

牡蠣市場の未来を大きく変えるであろうこの最新鋭の取り組みを、本日は紹介していきたいと思います。

えっ!?久米島でカキ養殖???

牡蠣っていうと冬のイメージありますよね。

でも実は、日本には夏でも美味しい真牡蠣が採れる産地があるほか、夏に旬を迎える岩牡蠣もあり、一年を通して美味しい牡蠣を食べることができるんです。

牡蠣養殖を事業としている産地は沖縄にはまだありません。

しかし、牡蠣養殖の実験自体は、ここ数年、県内数箇所で行われています。

「世界の牡蠣王」として名を残し、現在の牡蠣養殖方法(垂下式養殖方法、下図)を生み出した宮城新昌氏は、沖縄県大宜味村出身。

垂下敷養殖方法(出典:http://swmcoms.com/kakiyoushoku-997)

実はカキ養殖と沖縄にはご縁があるんです。

そしてこの沖縄・久米島で、4年に渡る実験を終え、これまでの牡蠣の歴史を変える『新たな牡蠣』が誕生します!

それが『世界初、陸上で養殖される牡蠣』なんです。

それを可能にするのが久米島が誇る一大産業『海洋深層水』

海洋深層水は水深200m以下を流れる海水のことです。

海洋深層水はウミブドウや車海老の養殖にも使われ、もはや久米島の産業にはなくてはならないものですが、とりわけカキ養殖とは相性抜群なんです。

その秘訣は海洋深層水の3つの特徴

  • 清浄性
  • 富栄養性
  • 低温性

にあります。

清浄性とアタラナイ牡蠣

牡蠣は通常、天然の漁場で養殖されます。

ホタテの貝などに着床させ、海の中につるして育てます。

牡蠣の主食は植物プランクトン。

そして、プランクトンを摂取するためになんと1時間に20L、1日に400L以上もの海水を吸引してるんです。

手のひらに乗るくらいのサイズなのにびっくりですよね。

でもその分、海洋環境に影響を受けやすい生物なんです。

海が汚れていたら牡蠣も汚れてしまいます。

海中にただよう細菌やウィルスを取り込んでしまうこともあり、そのせいで生で食べるとあたってしまう危険があるんです。

 

その点、数千年間も海底を流れていた海洋深層水は汚染の心配がありません。

だから、海洋深層水のみを使い、完全に陸上で牡蠣を育てることが出来れば、100%あたらない安全な牡蠣を提供することが出来るんです。

まさに画期(カッキ)的!

餌の培養に欠かせない富栄養性

富栄養性は、植物プランクトンのエサとなる無機塩類を多く含んでいることを意味します。

沖縄の海ってなんでこんなに綺麗なのか知ってますか?

これは、無機塩類が少ないせいでプランクトンが繁殖できないからなんです。

逆に言えば、無機塩類が多い本土の海にはプランクトンが豊富。

だからこそ透明度はあんまり高くないんですが・・・

 

牡蠣を陸上で養殖する場合、エサとなるプランクトンも自力で培養しなければなりません。

そのときに、栄養がたっぷり含まれている海洋深層水を使えば、プランクトンの培養が容易になるんですね。

暑さに弱い牡蠣

一般的に、牡蠣は暑さに弱いと言われています。

温度が高くなりすぎると、身が大きくならず貝だけ大きくなってしまうこともあるそうです。

だからこそ養殖するときは温度管理が大切。

海洋深層水は年がら年中低温なので適切な温度コントロールが可能になります。

 

このように、海洋深層水は牡蠣の養殖になくてはならない特徴を兼ね備えているんです。

カキ養殖場の様子

それでは、久米島字宇根にある牡蠣養殖場の様子をご紹介したいと思います。

株式会社ヒューマンウェブグループ.、沖縄久米島研究所です。

日本全国にオイスターバーを展開している会社です。

研究所の中の様子。

こーゆー実験室に来るとテンションが上がるのは、元化学系男子の私だけでしょうか。

養殖のカギは餌となるプランクトン

ここでは、牡蠣のエサとなるプランクトンの研究・培養がされています。

天然の漁場には数万種類ものプランクトンが生息していて、牡蠣もそれを食べています。

しかし、牡蠣を陸上で養殖するにはプランクトンを自力で一から培養しなければなりません。

数万種類も存在しているプランクトンの代替となる餌を探すのは相当大変な作業だと思います。

 

以下がその培養の様子です。

培養しているのは植物プランクトン。

何10種類も試した結果、現在は5種類くらいの植物プランクトンを培養し、牡蠣に与えているそうです。

 

植物プランクトンは光合成する生物なので、光をあてて育てます。

培養し始めの液の色は透明なのですが、次第に色づいていきます。

左のフラスコが3日後くらい、右のフラスコは1週間くらいたったものとのことです。

こんな短期間でこんなに色が変わるんですね。

ちなみに余談ですが、こういう化学器具ってめっちゃ高いんですよね。

3Lの三角フラスコとか5, 000~10,000円くらいしますからね。

三角フラスコで十分に培養出来たら、大きい容器に移していきます。

そしてさらに大きい容器に移します。

ここからは屋外のハウスの中。

沖縄の強い日差しによって、植物プランクトンはどんどん繁殖していきます。

ほぼ真っ黒ですね。

こうして培養された植物プランクトンが牡蠣にご飯として与えられています。

ほんの数週間足らずで培養出来てしまうらしいです。

これが実際に養殖された牡蠣!

けっこう大きい!

研究段階なので市場に出るまではまだまだかかるとのことですが楽しみにせずにはいられませんね。

『久米島産牡蠣』がオイスターバーに並ぶ日がいつか来るんでしょうか。

現状の課題

天然の漁場にあって陸上の漁場には無いものがあります。

その1つが豊富なプランクトン。

それを補うためにはまだまだエサの改良が必要だとのことです。

『食は人なり』という言葉があるように、私たちが食べたものが私たちを形作っています。

同じように『食は牡蠣なり』

牡蠣が食べたプランクトンが牡蠣を形作り、牡蠣の質を決めていきます。

現在培養しているプランクトンでも養殖は可能ですが、天然の漁場で育ったものと比べるとまだまだ劣る点が多いんだとか。

他にも、潮の満ち引きや潮流、海水温の変化など、牡蠣の生育に影響を与える要因はたくさんあります。

健康でたくましい牡蠣を陸上で完全に養殖をするためにはそういった研究も必要になるそうです。

 

今後は、より大きなプラントを作りさらに研究を進めていくそうです。

世界初の取り組みの先に目指すもの

以上、久米島の未来を、世界の未来を変え得る『牡蠣の陸上養殖』の紹介でした!

最後に、この研究所の社長の鷲足恭子さんの言葉を紹介させてください。

 

「ニュージーランドや他の国では、水産業は憧れの職業らしいんです。

でも、日本だとあんまりそういうイメージ無いですよね。

私たちはこの挑戦を通じて、水産業者を『かっこよく』したいんです。

子どもたちに憧れを持ってもらえるような仕事にしたいんです」

 

ビジョンを持って、夢を持って、生きている人って本当に魅力的だなと思います。

『子どもたちに憧れをもってもらえる仕事』か・・・

自分もまだまだですね。

 

それでは素敵なKumejimaLifeを♪

久米島の未来を担う先端産業~海洋深層水~

2016.11.03

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