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論理的思考が重視されていた左脳型の男性社会から、創造的思考が重視される右脳型の女性社会へ!
安倍内閣が『すべての女性が輝く社会づくり』を目指しているように、これからは女性の時代がやってくると言われています。
沖縄久米島にも、バイタリティあふれるパワフルで素敵な女性がたくさん。
そんな女性たちの過去・現在のストーリーを聞きながら、これからどう生きていくのか、どう島にかかわっていくのか。
そんな物語を紡いで行けたらいいなと思っています。
第13回目は平良優圭さんから紹介いただいた関口紫帆さん。
移住してまだ2ヶ月。
フレッシュなご意見を聞いていきたいと思います!
関口紫帆(せきぐちしほ)さんプロフィール

ウミガメの魅力とは?
岡本
今日はウミガメ館からお届けします。
なんでまたここを選ばれたんですか?
しほさん
小さいころから動物が好きで、高校くらいまでは獣医さんになろうと思ってたんですけど、日本の獣医学部は小動物、犬猫、家畜がメインで。
どっちかというと野生動物の方をやりたかったので、アメリカの大学に留学をしたんです。
その先がたまたま海のある街だったんですね。
もともと海が好きだったわけじゃなかったんですが、そこに住んで、ダイビングとかをしているうちに、だんだん海の生き物も好きなってきて、最終的にウミガメが一番好きな動物になった。
ウミガメに関するボランティア活動をしたいなって思ってたんですけど、子どもも早く生まれたのもあって、なかなか出来なくて。
ご縁があって久米島に移住することになり「ウミガメの保護やりたいです!」って言ったら、ウミガメ館の責任者の方が快く引き受けてくださって。
人も少ない中で教えるのも大変だと思うんですけど・・・
私も仕事しながら、やらせてもらっています。
実は10年前にここでボランティアをやらせてもらう予定だったんですけど、そのときに妊娠をして来れなくなっちゃって。
久米島にはそれから来てなくて、「来たい来たい」ってずっと思ってた気持ちが今につながっている気がします。

岡本
ウミガメの魅力は?
しほさん
自由なところ。
縄張りも持たないから、世界1周だって出来るじゃないですか?
群れもなさないし、一人なんだけど、孤独じゃない感じがする。
全部知っていそう、世界を。
だから、カメといると教わることが多い。
人の目に映る自分の姿と、亀の目に映る自分の姿がなんか違って見えたりするんですね。
この子は人間のことをどう見てるのかなって考えたりするのが好きなんですけど、
ただお世話をしてくれる人とかっていう感じじゃなくて、気持ちを探られている感がすごい。
見透かされている感じがしますね。
自分にとっては魔法使いとか、仙人とか、そういう位置づけですね。
岡本
僕も自然保護は大切だと聞きますけど、自分が積極的に動いてそれを変えようというほどのものはないんですよ。
紫帆さんが久米島に越してきてまでそれをやろうと思う動機って何なんですか?
しほさん
なんだろう?
でも、好きだから。
自分のためとか家族や大切な人のためだけにやるんじゃなくて、自然を保護したり、絶滅しそうな動物を減らさないように自分に出来ることをやることで、自分の生きる目的を見いだせる。
向上心にもつながるし、やりがいですかね。
趣味とかそういうのと似てると思います。
私の中で趣味がこれ。
慈善活動っていうよりも好きでやってる。

子育てに悩んでいたとき
岡本
久米島にたどり着くまでにどんなことがありました?
しほさん
「実は下の子が自閉症なんです。
上の子が生まれて、しばらくは家庭が上手くいってたんですが、下の子が生まれてから2歳くらいまで、毎晩激しく夜泣きをして、泣き止まなくて。
毎晩2時間以上、夫婦のどっちかが起きてドライブに連れて行ったりあやしたり。
隣人からも、泣き声がすさまじいので「虐待してるんじゃないか」って疑われたりとか。
その後夫婦仲が悪くなり結局離婚したんですけど、
その直後に息子が自閉症だと分かったので、どうやって育てたらいいか分からなくなった。
そのときは親にも頼れなくて、一人で必死に2人の子育て。
下の子が言葉を全然話せるようにならなくて、自分自身のことじゃなくて、子どものことだから余計に不安でした。
将来自分がいなくなってからのこととか考えたりしちゃって。
一家心中じゃないですけど、本当にそれくらい思い悩んで落ち込んだことがありました。
でも、療育を始めてからは医師やセラピストさんたちや周りのサポートもあり、徐々にですけど成長が見られて、それからだんだん立ち直っていき、「療育頑張ろう。まず出来ることを一つ一つ頑張ろう。」って前向きになっていくんですね。
※療育・・・障害のあるお子さまが、社会的に自立できるように取り組む治療と教育のこと(LITALICOより)
でも療育を受けるために、週3日朝の満員電車に1時間近く乗らないと行けなくて。
子どももその生活に慣れてはくれたんですけど、やっぱりストレスで電車の中で泣き出しちゃうこともあった。
私も仕事と療育を両立しながら、夜も働いていたので、常に疲れていて。
でもそれをやらないと生活が成り立たなくて、当時はがむしゃらに必死でやってた。
でもその後、上の子が反抗期になって問題を起こしたことがあって、そのときにすごい反省した。
「もっと上の子との時間も大切にしなきゃいけなかった」って。
生活のためにお金を稼ぐこととか、下の子の療育を受けるための学校に連れていくことよりも、もっと大切にしなければいけないことがあるんじゃないかなって気づいた。
こどもともっと一緒にいてあげられる環境を作りたい。
あと、もし自分がいなくても、地域のみんなで子育て出来たら上の子も寂しくないじゃないかって。
子育てするなら、ギスギスしたストレス社会の中で育てるよりも、田舎で自由に走り回ったり木登りしたり、釣りしたり、好きなことを思いっきりやれる環境においてあげたいなって思って。

しほさん
沖縄移住は何年か前から頭の中にはあったんですけど、夢くらいにしか思ってなかったんですよね。
ウミガメの保護活動も、子供が成人して、一人でフリーになったらやれればいいなっていうくらいの夢だったんですけど、
でも夢だと思ってたら一生実現できない気がして、思ってるだけじゃ実現できないから行動しないと。
子どもも大きくなってからの移住だと地域になじめなかったりするだろうし、下の子もまだ小学校入る前なので、行くんだったら今かなって。
そこから早かったですね。
半年くらいで移住に至りました。
何よりも子供のために
しほさん
久米島に移住した一番の理由はこどもを育てる環境面。
他の離島にしなかった理由は、ウミガメ館と馬牧場さん。
私は馬も好きなのと、下見に来たときに福太郎さん夫婦にすごい良くしてくださって、お二人も移住者なので、先輩としての話も聞いてそれが後押しにつながった。
岡本
でもけっこうな決断ですよね。
しほさん
結婚してたら、そう簡単に移住って出来ないじゃないですか。
でも自分1人だったらなんとかなるんじゃないかって。
とりあえず家と仕事探してみたら見つかったから、良し!って感じでした。
岡本
行動派なのは昔からでした?
しほさん
昔からでしたね。
行った高校が合わないなって思って。
個々を尊重しないんですよ。
出来る人を大量生産して、あぶれたのはもう知らないって感じ。
日本の大学に行くためだったらここでもいいかなって思ってたんですけど、
なんか違うなって思って、親に土下座して辞めさせてもらって。

しほさん
インターナショナルスクールに9月から入学して、そっちは本当に楽しかったですね。
少人数制でどんどん自分の発言をしていかないと置いてきぼりになっちゃうので、プレゼン能力だったりとか、自分をどれだけアピールするかみたいなのはすごい学ばせてもらったし、そういう教育が自分には合ってた。
なので結局大学も海外に。
岡本
僕も大学院辞めて来てるんですよ。
学部のときから、やりたいことと違うだろうなって思いつつも、やり続けて。
院にまで行っちゃったんですけど、もう耐え切れなくなって、逃げてきました、笑
しほさん
でも合わないって思ったときに踏ん張れるのがすごいなって思います。
岡本
いや、正しいのはどっちなんだろうな。
どんな仕事しているとかじゃなくて、もっと深い部分で貫いているものがあれば、やることをどんどん変えても問題ないと思うんですよね。
自分の軸っていうのかな。
しほさん
子供が生まれてからは子供が軸になったかなって思ってて、離婚を決断したのも子供のためでもあるし、ここに来たことも、療育頑張ってたことも。
くじけそうになっても子供の笑顔を見ると、「あ、頑張ろう」って思える。
今は我慢できるのは、子どものおかげ、いなかったら出来てなかったと思う。
いなかったらまだちゃらちゃらしてると思う、笑

夢を夢で終わらせない
岡本
引っ越してからどれくらい経ったんでしたっけ?
しほさん
ちょうど2ヶ月になりました。
岡本
どうですか?実際に?
しほさん
「思ってたほど構えるものではなかった」って感じです。
「行けるでしょ」って思ってたけど内心はかなりドキドキしてたので。笑
友達出来るかな?とか、島の方と仲良く出来るかなとか、すごいいろいろ不安だったんで。
移住した先輩から「観光客には優しいけど、住むとコロって変わる人もいるから」とか
「あることないこと、噂がどんどん立つからへこむよ」とか
「目だったら終わり!」とか
すごい怖い事聞いてたんですけど、笑
でもその情報は大事だと思うんです。
何も知らずにきてショックを受けるより、多少は構えて来てた方が。
実際来てみて、多少嫌な思いをしたこともあったんですけど。
思ってたより、本当に人は温かいなって思います。
私が住んでるアパートに、同じ幼稚園に通ってるご家庭があるんですけど、下の子がやけどしちゃって、公立病院に朝行かなくちゃいけなくて。
アパートの入り口でタクシーを待ってるときに、同じ幼稚園のお母さんが「送ってあげるよ」ってなんの迷いもなく言ってくださったり。
挨拶くらいしかしたことなかったのに。
あとはお水をくれたり野菜をくれたり。
助け合いの精神が当たり前に根付いてるんだなって。
東京に住んでたらみんな自分のことに必死じゃないですか?
そんな中で、島の人は「自分のことよりも人のことを」って考えられる人が多いなって。
来たばっかりの移住者にもそうやって接していただけるので、そこはいいな~って思いますね。
あとは、自分が何かお返ししたいなと。
来たからには、島に何かしら貢献をしたい。
そういうつながりをこれからも増やしていけたらいいな~って思います。

岡本
良いですね~。
何やっていきましょうか?笑
しほさん
何やりましょうかね~笑
でもブロガーズの会に入れてもらっているので、ブログを書いて、移住したい人の力になれたらいいな~って。
今移住者の人たちを巻き込んで、いろんな取り組みをされているのでこの時期に来れたのは良かったかなって思います。
もっと前だったら、移住者のつながりを持てる場所って限られたかもしれないし。
岡本
これからどう生きたいですか?
しほさん
なんとなく思ってるのは、自分の夢を実現させる、夢で終わらせない。
移住もウミガメ館でのボランティアも、行動したら実現できたこと。
これからやりたいと思っていることを夢で終わらせない。
興味があることにはどんどんチャレンジしていきたいし、
それが出来る環境に今いると思うので、すごい今ワクワクしてます。
編集後記
「やりたい」って思っていることのほとんどは、「単純にやっていないだけ」だったりします。
やろうと思えば出来ないことはないのに、お金がない、時間がないなど、言い訳をしてやらない理由を作っているのはいつも自分なんですよね。
やりたいこと・夢があるんだったらやってしまえばいいんです。
世界はきっとシンプルなんです。
複雑にしているのは自分自身。
とはいえ、僕自身、難しく感じてしまうこともあります。
そういえば美女図鑑も、1年前くらいにやれたらいいな~って思ってた企画でした。
実施するのに1年かかってますね、笑
自分と同じように、何かをやりたいけど踏み出せないと思っている方へ。
僕が近所の子どもから授かったメッセージを共有します。
簡単だと思ったら簡単に出来る。
みたいですよ。
これを子どもにさらっと言われたときは衝撃を受けましたが、笑
簡単だと思ったら簡単なんです。
難しいと思ったら難しくなるんです。
簡単だと思って、まずは小さな1歩から踏み出してみてくださいね。
紫帆さん、ありがとうございました!
それでは素敵なKumejimaLifeを♪
(撮影:麓大地)
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