【久米島美女図鑑 vol.27】「特性を認め合うこと」渡辺幸先生

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こんにちは!

生まれ変わるなら絶対美女がいい!!!島暮らしのおかもってぃです。

最近更新頻度が落ちている久米島美女図鑑ですが、皆様からご縁を頂き、こうして細々と続けさせて頂いています。

今回インタビューさせていただいたのは、のぞみさんから紹介いただいた久米島公立病院の小児科で働く渡辺幸先生です。

幸(さち)先生プロフィール

新潟県出身。大阪、沖縄本島での勤務を経て、7年前に久米島病院に赴任。小児科の先生として久米島の子供たちの健康のために日々活動中。

 

幸先生はいつから久米島に?

 

7年前ですかね。

 

もともとお医者さんだったんですよね?

 

そうですそうです。もともとアフリカとかバングラディシュとかの僻地で働きたくて医者になりたくて。
でもその前に小児科医としてある程度一人で出来るようになりたいと思っていて、離島で医療した後に行こうと。
そうして主人と久米島に来たんですけど、そしたらちょっとトラップされて、笑

子供の健康をなんとかしたい

 

何でトラップされたんですか?

 

肥満がすごく多くて、その辺を何とかしないとって思って。
外来に来る2歳児でも炭酸飲料を抱えていたり、胃腸炎で来ているのにチップス食べたりとか・・・。「え~~~!?」って感じで。

 

実際に久米島は肥満の子がすごい多くて。
だから子供の健康プロジェクトっていうのを作ったんですよ。

 

そうか、肥満っていうと、そういう僻地よりもこっちの方がずっと深刻な可能性ありますよね。

 

そうですそうです、全然そうですよね。
もちろんバングラディシュにも肥満の子はいるかもしれないけど、久米島の肥満率は全国の3倍くらいですからね。

 

まあ、太ってても幸せならいいんじゃないかって思ったりもするんですが、でも親御さんが何も知らずに子供たちにジュースを与えていたりもして・・・。
その辺りの知識をもう少し入れて、厳密になり過ぎない塩梅を自分でも分かるようになって欲しいなと。

 

「これ食べちゃいけないんだ!」って知識が入ると全然違いますよね。厳しくやり過ぎるとまたストレスになるのでよくないですが・・・

 

もうちょっとね。
そういうことを意識してもらえたらいいな~って思ってやってきたんですよ。

 

成果とかありました?

 

一番やりやすかったのが子供たちに知識をつけることだったんですよね。
小学校5年生に年に2回授業していて、体のこととか病気のこととかを話しして。
始めてから小学生の肥満率は明らかに減ってて、すごいんですよ。
養護教諭の方がすごい協力してくたのもあるんですが。
最初は肥満の出現率が16%とかだったんですけど、今は12%くらいに減ってきてるんです。

でもまた中学校で増えちゃってて・・・

 

自分たちで買い物をしだすときですかね。

 

そうなんですよ!そういうことなんですよ。
で、親御さんもすごい忙しいから中学生になると手を放しちゃうんですよ。
中学生の朝ごはんの調査を見せてもらったら、ほとんど菓子パンだけでちゃんと食べてるのは二人くらいっていうデータが出てて・・・。「あ~そこか~」って。

 

あとは子供の教育なんですけどね。この間東京に帰って3ヶ月幼稚園に息子を入れたんですけど、すっごい楽しくて居心地が良かったみたいで。やっぱりいろんなところに触れさせるって大切だなって思いました。

「誰も喧嘩しないよお母さん!誰もおふざけしない!先生も全然怒らない!」って、すごい感動してました、笑

 

幼少期の環境って大事ですよね。

 

それから、今幼稚園生も小学校低学年生も放課後行く場所がないんですよ。ちょっと話が出来る大人が近くにいる場所があればいいと思うんですけどね。
ちゃんとした大人や学生が近くにいてあげて、子供たちを認めてあげられたら、それだけで全然違うと思うので。そんな環境が必要だなって思ってて。

島の医療について

 

ちなみに、島で過ごしてて悔しかったことってあります?

 

いつも悔しいのは、肺炎になっちゃった子がいて入院しなきゃいけないときに、本島に行きたいんだけどって言われるような時ですかね。
「いや島でも出来るよ!」って。久米島病院でも見れるレベルなのに、やっぱり本島の方がいいって。まあ気持ちは分かるんですけどね。

 

僕も・・・申し訳ないけどありますね。

 

まあ正直私自身もありますわ、笑

 

まあでもたしかに島の医療にも限界あって。
例えば、島でお産したい人たちがいっぱいいるのは分かるんですけど、産婦人科医がひとり来たところで安全に出産できるかってすごい難しい話なんです。

出産って命がけじゃないですか?予期せぬところで大出血起こちゃったら島には血のたくわえがないので輸血できないんです。そうするとヘリで持ってくるしかなくて、持ってくるくらいなら本島に行った方がいいってなるんですけど。でももし、台風が来ててお産で大出血したら命が救えないんですよ。

 

あと、産婦人科医がひとりだと、毎日いつ呼ばれるか分からない感じになってその人の負担が相当高くなっちゃうじゃないですか。

だからいくつかの離島と協力して那覇に妊婦さんが住める場所を作るとか、そういう方向性なのかなって思うんですけどね。島で産みたいって気持ちは十分分かるんですけど・・・。でも、少しでも島の人たちが不便なく、過ごせるような医療の在り方は考えていきたいですね。

障害ではなく特性

 

小児科医として関わりながら、やっぱり子供の教育は重要だと感じてるんですね。

 

そうですね~東京行って思ったんですけど、日本の教育ってかなり偏ってるなって。45分みっちり座り続けて黒板を書き写すしか作業がないって異様なのかなって思ってきて・・・

アメリカの教育では、このグループは視覚優位だからビジョンを優位に取り入れた学習、このグループは調べ学習、みたいに子供の特性に合わせてやってたりとか。机の位置自体が前向きじゃなくて、グループ机になっててそれが普通っていうか。

 

なるほど、これからやっていきたいことってありますか?

 

発達障害とか、心のトラウマだったり鬱だったりっていう子供たちを見てきたんですが、そういうことに関わらず、みんなが伸びていけるような環境を作ってあげたいですけどね。
精神障害とも思われてたりするけど、発達障害は特性だと思うんですよ。それがあった方が良いときもあると思うんですよね。

 

自分も発達障害について学びに行ったときに「あなたADHDだね」って言われて。まあ自覚はしていたので「だよね!だよね!笑。でも特性なきゃやってられないよね!」って。「生活に支障をきたしたら発達障害だけど、きたさなかったら発達特性だよね!」って思います、笑

 

何かに突っ走ったりするときってみんなと同じような人だと出来なかったりするじゃないですか。
私の原動力も発達特性なのかなって、笑

 

でもそう思いますね。結局は多様性の結果でしかないっていう

 

そうそう、だから大人しすぎる子の名前はついてないけど、それはそれで特性なわけだし。自閉症ってすごい頭が良すぎて理屈っぽ過ぎるってあるけど、逆に右脳的過ぎる人たちもいるし。
本当に多様性の話だけなので。そのことをみんなが分かってくれたら、みんなも自分も生きやすいかなって思いますけど。

さっきの子どもの居場所もそうですけど、子どもの頃に安心して楽しく、なおかつ刺激も受けながらすごせるような、ちょっとずつそういう島になっていくといいな~って感じですかね。ちょっと漠然としてますけどね。

 

あとはやっぱり、働いているお母さんたちがすごい大変だと思う。その辺のサポートが島は全然ないじゃないですか。母たちがもう少し楽に過ごせるようにしたり、子どもたちにより良いものを与えられるような工夫もしていきたいなって思いますけどね。

まあ男がもっとしっかりして母ちゃん支えろよ!って感じですかね、笑

 

すみません、男子頑張ります・・・

編集後記

子供の健康の話から子供の教育の話、島の医療の話まで、島の課題と向き合い続けてきた幸先生だからこその話をたくさん聞くことができ実りの多い時間になりました。

幸先生の原動力は、発達特性、みたいですね、笑

僕自身、現代の教育の最大の問題点は『均一化』だと思っています。

勉強が好きな僕みたいな人もいれば、そうではない人もたくさんいる。

高校で習う内容くらいのことは分かっていた方がいいとは思いますが、ペーパーテストだけですべてを測ることは出来ないわけで、テストの上だけじゃなくて、他のフィールドに活躍の場を持っている子は絶対いるんですよね。

子供たちの特性を生かしながら、どんな風に教育の場を提供していったらいいのか?そんなことを考え、学びたくなった時間でした。

幸先生、ありがとうございました!

(撮影:麓大地)

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