【久米島の過去・現在・未来を紡ぐ】最終章「島の未来をかけた挑戦」

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島暮らしのおかもってぃ
地域おこし協力隊。東京生まれ東京育ちのシティボーイ。マニアック過ぎて役に立たない久米島情報を発信中!
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人には人の、生きてきた人生があるように

土地には土地の、紡いできた物語があります。

 

人口減少・超少子高齢化など、未曽有の危機に直面する昨今、土地の歴史を見直し、久米島が有してきた価値観、島としての気質を明らかにする必要があるのではないかと思います。

 

久米島は受け入れの気質がある、とよく言われます。

水が豊かで米が豊富だった久米島は、古くから豊かな島。

だからこそ、外から来た人たちを積極的に受け入れてきた歴史があります。

 

ただし、久米島はただの受け入れの島ではありません。

僕なりに解釈した久米島の受容性とは『セジを読み、外部と共存する力』です。

セジを読むとは、潮目を読むこと、天命を読むこと。

大きな流れには逆らわず、外来のリソースと上手く共存する。

これが久米島の生存戦略だと考えています。

 

今回の連載では、歴史を紐解きながら、このような久米島性を明らかにしていきたいと思います。

第11章、最終章になります、は「島の未来をかけた挑戦」

超少子高齢化、年間100人の人口減少、未曽有の危機に対して、今島内各地で様々な挑戦が始まっています。

最終回はそんな島の未来をかけた挑戦、施策を紹介していきたいと思います。

島の未来をかけた挑戦

久米島高校魅力化プロジェクト

久米島唯一の高校、久米島高校。

全校生徒は200人超。

1学年普通科2クラス、園芸科1クラス。

島を担う人材を長らく輩出してきた久米島高校ですが、生徒数減少に伴いクラス縮小の危機に陥ります。

 

きっかけは平成24年、沖縄県教育委員会より発表された沖縄県立高等学校編成整備実施計画。

この中に、久米島高校の園芸科を廃止して1学年2クラスにするとの提案がありました。

 

園芸科が廃止されると島の基幹産業である農業の担い手がいなくなる。

危機感を覚えた島民が集まり、始まったのが『久米島高校魅力化プロジェクト』です。

これは、高校を魅力的にすることで島を元気にしようという取り組み。

地方創生の成功事例として有名な島根県海士町をモデルとしています。

 

平成26年に始まった高校魅力化プロジェクト、すでに様々な取り組みがなされています。

  • ハワイコナワイナ高校との交換留学の実施
  • 島外からの高校生を受け入れる島留学制度の実施
  • 公営塾の設置
  • 島外生向けの寮「じんぶん館」の設置

各種メディアに取り上げられたり、全国から視察が来たり、知名度はどんどん上昇中らしいです。

島外からの留学生は現在、3学年で30人ほど。

昨年は初めての卒業生も出ており、みな島への思い出を胸に旅立っていきました。

 

島の将来を考える上で、教育の質を担保することは非常に重要です。

「教育の島」となることができるのか、その挑戦が始まっています。

より詳しく知りたい方は久米島高校魅力化プロジェクトのHPをご覧ください。

エネルギーの完全自給を目指して、海洋深層水産業

海洋深層水産業は2000年に始まった事業。

海洋深層水を用いた温度差発電の実証実験として始まりました。

海洋深層水は水深200m以下を流れる海流のことで、久米島の場合は沖合2.3kmのところで水深612mの深層水を取水しています。

陸地から近いところで海洋深層水が取れるのは、水深の変化が急な久米島特有。

すでに養殖や化粧品開発など、様々な分野に応用され、その経済効果は年間約25億円

将来的には1000人の雇用を生むのではないかと注目されている、島の未来を担う産業です。

その産業の一部を紹介します。

海洋温度差発電

海洋温度差発電とは、表層水と深層水の温度差を利用して発電する仕組みです。

以下は火力発電の仕組みです。

火力発電のしくみ

出典:http://mitsumoli.com/energy/knowledge/11/

水を火力で沸騰させてタービンを回し、それを再び冷却して、また沸騰させて、タービンを回し・・・

そんな風に発電しています。

海洋温度差発電も同じ原理ですが、水よりも沸点が低い液体を使っています。

沸点が低い液体を暖かい表層の海水で沸騰させ、タービンを回し、深層水で冷やして、また沸騰させてタービンを回し・・・

こんな風に発電します。

化石燃料も使いませんし、当然二酸化炭素も出ません。

次世代を担うクリーンなエネルギーです。

 

まだまだ規模が小さく、実証実験をしている最中ですが、今後より規模が大きくなれば島内で使われている電力の何割かは補うことができるそうです。

エネルギーの完全自給

そんな久米島モデルの達成を目指して、島が動き始めています。

 

温度差発電で使用した深層水はまだまだ低温かつクリーン。

2次的な利用が可能で、島に大きな恩恵をもたらしました。

海ブドウ・車海老の養殖

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久米島が誇る産業、海ブドウと車海老養殖も海洋深層水によって支えられています。

海ぶどうの質は、粒の大きさ、密度、枝分かれの少なさで決まるのですが、そのために重要なのが温度コントロールなんです。

実をしっかりつけるためには25度前後に海水温を保たなければならず、そのために深層水が使われています。

また、車海老は海水温が高いと稚魚を生みません。

そのため以前は九州から稚魚を購入し養殖していました。

しかし、深層水により海水温を下げられるようになり、島内で完全養殖することが可能になりました。

今では、海ブドウは日本一、車海老は沖縄県一の生産量を誇る産業に発展。

海洋深層水すごいですね。

世界初!牡蠣の完全陸上養殖

海洋深層水を使った世界初の取り組み。

それが牡蠣の完全陸上養殖です。

一般的な牡蠣は、自然の海の中で養殖されています。

 

しかし、どんな海水を牡蠣が取り込むか分からず、ウィルスなどによる汚染の心配があるんですね。

そこでクリーンな海洋深層水を使って、0から完全に陸上で養殖できれば完全にウイルスフリーな牡蠣が出来るというわけなんです。

市場に出回るまではまだまだ時間がかかりそうですが、生体まで育てることにはもう成功しています。

完全に安心安全な牡蠣が食べられる日も近いかもしれません。

 

深層水を使った実験は他にも数多く行われています。

久米島の将来を担う海洋深層水、今後も目が離せません。

久米島ドリー部チャレンジ

久米島ドリー部チャレンジは、第2次総合計画で決められた施策を実施する実行部隊。

夢のような島にするために、住民と行政が協力して部活のように島を盛り上げていこう。

そんな想いでスタートしました。

 

第2次総合計画は、今後の島の10年の方向性を定めた計画(1次もあったのですが、それがどうなったのかは正直分かりません・・・)

これからの地域づくりは、行政だけでなく住民も主体的に関わるものでなくてはならないと考え、その策定にあたっては、

  • 教育現場、医療現場、町議員や子育て中のお母さんなど、多くの島民へのヒアリング
  • 全世帯へのアンケート実施
  • 住民によるワーキングチームも結成し、久米島が抱える課題を議論

などを実施し、島民の意見を反映。

何度も話し合いを重ね、アイデアをまとめていきました。

 

総合計画で決まった島のビジョンは『夢つむぐ島~島民みんなで織り上げる未来』

第2次久米島町総合計画の将来像

抜本的な解決が必要な「人口減少み歯止めをかける」という課題と向き合いながらさまざまな住民ニーズを抽出し、その解決策を考え、島民の幸福を築くには
「内を充たし、外からいざなう」ための取り組みが必要です。
『すべての人が活き活きと暮らせる島』になること。
『外から人を惹きつける島』になること。

数々の工程を経て丁寧に織り上げられるからこそ美しい「久米島紬」のように、島民1人1人が強い意志と絆でつながり合い、縦糸と横糸のように夢と営みを交差させ「つむぐ」ことで、久米島の未来を織り上げる。
※第2次久米島町総合計画基本構想より抜粋

何よりも島民が豊かに暮らせることを目指し、それを達成したうえで外から人を呼ぼうというコンセプトです。

 

久米島ドリー部チャレンジでは、島のビジョンを実現するために島民が主体となってさまざまな活動を行っています。

  • 情報発信力を強化、久米島ブロガーズ
  • 子育て世代の力に、くがに子育て
  • 男女の出会いを増やす、結の会
  • 福祉の課題を解決、うまんちゅ活躍隊
  • 移住者を支える、定住サポーターズ
  • ドリー部チャレンジのまとめ役、つなぐぅ

などなど。

島づくりを自分事と捉え、自ら頑張っている方々がたくさんいます。

自分も一応ブロガーズの1人。

島の情報発信を頑張っています。

 

愛郷心はどう育まれるのか?

地域活性を考える上で僕がよく考えるテーマです。

 

その一つが、自分自身が地域の担い手であるという感覚だと思います。

「自分の力で地域を良くしていけるという期待値」と「良くしていきたいという使命感」

この2つを持てたときに、その人は愛郷心を持てるようになるのではないかと思います。

だからこそ、住んでいる人自らが動き、島を盛り上げていくことが必須なんです。

島の誇りを取り戻すためにも。

 

来月、2017年11月23日(祝)は、そんなドリー部チャレンジ及び、様々な住民活動を発表しあう『夢まつり』の開催日。

待ったなしの人口減少。

その危機に立ち向かうべく、様々な活動をしている様子をぜひ見に来てください!

まとめ

以上、『島の未来をかけた挑戦』でした。

 

島の生存戦略、『セジを読み、外部と共存する力』

 

現在の島を生きている人たちは、どんなセジを読んでいるのでしょうか。

世界が縮小し、あらゆる外部とつながれるようになった昨今、

「どこと、何と、協力・共存するのか?」その選択がますます重要になってきています。

島に生きている人たちはきっと体のどこかで、大きな流れ、セジを感じているのかもしれません。

 

しかし、それが何だったのかは、いつか歴史となった現在を振り返らないと分からないでしょう。

 

今回で連載は終了です。

見切り発車で始めたために、至らぬ点や整合性が取れていないところはあったかと思いますが、自分が島に来た意味を一つ果たした気はしています。

 

人の人生には不思議と連続性があるものです。

人の集合体である、島という共同体も同様。

島の文脈が存在します。

 

島の価値観を明らかにすることは、島が今後どのように生きていくのか、その戦略に対するヒントをもたらしてくれるのではないかと思うわけです。

 

ただ、歴史は解釈に過ぎません。

歴史に残っていない歴史もたくさんあり、むしろそっちの方が多いわけで、資料として残っているものしか僕らはみることが出来ません。

そしてそれをいかに意味づけするかは、読み解く人の考え方に大きく依存します。

 

今回の連載では、僕の目からみた久米島性を紹介させていただきました。

人によっては違う意見もあると思います。

でも、島のことをもっと知ってもらいたい。

島外の人にも、島内の人にも。

 

今回の連載がそのきっかけになればと思います。

最後までお付き合いしてくださった方々、本当にありがとうございました。

 

島の史跡をストーリーとともに回ってみたいという方は、私のレンタル制度、岡本レンタルをご活用ください、笑

ブログの記事はこれからも更新していくので、今後ともよろしくお願い致します。

それでは素敵なKumejimaLifeを♪

2 件のコメント

  • こんにちは。
    連載記事、読みやすくてあっという間に全て読みました。

    島の歴史を深く読み解く事で、違った視点から島への関心が生まれますね。

    旦那さんと久米島へ帰省した時は、ぜひとも
    岡本レンタルをお願いしたいです。笑

    • miさん、すべて読んでくださって本当にありがとうございます!!!(´;ω;`)
      歴史系の記事って実はあまり読まれなくて、今回は読みやすいように話にストーリー性を持たせてみたのに、それでもあんまり読まれなくて・・・
      読んでくださって本当に嬉しいです!!!

      レンタルしてください!笑

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